診療科・センター

外科

方針

 個々の患者さんの要求に応え得る最高の技術を備え、そして提供します。

特色・専門

 当院の外科は消化器、呼吸器、乳腺、甲状腺、血管を中心にあらゆる外科疾患を取り扱う努力をしています。消化器と呼吸器は内科と連携し、それぞれ1病棟単位として消化器病センターと呼吸器病センターを立ち上げて包括的な診療を行っています。
 腹腔鏡安全技術認定医1名、内視鏡外科学会技術認定医4名が在籍しており、胸腔鏡や腹腔鏡手術、ロボット(da Vinci)手術による身体に優しく質の高い手術を積極的に行っています。
 

診療内容

 当外科の特徴は各領域にそれぞれ経験豊富な専門家がいることです。全身の頚部から足先まで扱っていますが、横隔膜を境に胸部外科と腹部外科に分けて説明します。

腹部外科

 基本方針は小さな傷で確実な効果です。具体的には腹腔鏡手術やロボット(da Vinci)手術による、低侵襲、つまり痛みが少ない、見た目も綺麗な手術をモットーとしています。もちろん病気本来の根治性を落とさないのが前提です。ロボット手術を行う資格を有する医師や内視鏡外科学会が認定するエキスパート(技術認定医)が多数在籍しています。治療方針は患者様に十分に説明したうえで決定いたします。
 また、そけいヘルニア(いわゆる「脱腸」)についても、豊富な手術実績をもとに患者さんにとって身体への負担が少なく、効果の高い手術方法で治療を行っています。
 以下に扱っている具体的な病気を示します。

ロボット(da Vinci)手術そけいヘルニア手術(ヘルニアセンター)の詳細については、リンクをクリックしてご覧下さい。

扱っている疾患(下線は更に詳述)
 ・食道
  食道癌
  食道アカラシア
  横隔膜ヘルニア(食道裂孔ヘルニアなど)
 ・胃
  胃癌
  胃・十二指腸潰瘍
  胃GIST, カルチノイド
  胃良性腫瘍
 ・十二指腸
  十二指腸腫瘍
  十二指腸憩室
 ・小腸
  小腸GIST
  小腸腫瘍・ポリープ
  炎症性腸疾患(クローン病など)
  癒着性腸閉塞
 ・大腸(結腸+直腸)
  大腸癌(結腸癌・直腸癌)
  大腸憩室症
  大腸GIST、カルチノイド
  炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
  人工肛門造設・閉鎖
 ・肛門
  便失禁(便漏れ)
  痔核(いぼ痔)
  痔瘻(じろう)
  裂肛(切れ痔)
 ・胆嚢
  胆石症、胆嚢炎
  胆嚢癌、胆管癌
  胆嚢良性腫瘍、胆嚢ポリープ
 ・肝臓
  肝臓癌、転移性肝癌
  肝囊胞
 ・膵臓
  膵癌
  膵腫瘍、膵内分泌腫瘍
 ・脾臓
  特発性血小板減少症(ITP)
  門脈圧亢進症
 ・腹壁:詳細はヘルニアセンターのページをご覧ください。
  そけいヘルニア
  大腿ヘルニア
  腹壁瘢痕ヘルニア
 ・末梢血管
  閉塞性動脈硬化症(ASO)
  下肢静脈瘤
 ・その他
  リザーバー留置術(静脈路確保)
  後腹膜腫瘍
  皮膚、皮下腫瘤 など
 

胸部外科

 胸部外科では、呼吸器外科および乳腺・内分泌科(おもに甲状腺疾患)の手術を行っています。

呼吸器外科
  •  基本方針は小さな傷で確実な効果です。具体的には胸腔鏡を用いることにより、低侵襲、つまり、痛みが少ない、見た目も綺麗な手術をモットーとしています。もちろん病気本来の根治性を落とさないのが基本前提です。手術法は主治医と患者さんが術前に確認して決定されます。また、労災疾患(塵肺肺癌、石綿肺癌、胸膜・腹膜中皮腫等)に関しては、全国的にも最優良の呼吸器外科であると自負しております。化学。放射線療法と併用して根治性を重視し、呼吸器内科との連携をとり、取り組んでおります。

代表的治療法
1.開胸術
 当科では胸筋の温存を考慮しながら、後側方切開(体の後ろ側から体の側方を開く)による開胸を基本としています。皮膚切開は目的により異なりますが、最も多い肺癌に対する手術で平均10㎝程度です。これ以外に縦隔腫瘍や重症筋無力症に対する手術では胸骨正中切開でアプローチすることもあります。術後の疼痛を制御する目的で、ほぼ全例に肋間神経ブロックを硬膜外麻酔を併用しています。

2.胸腔鏡手術(Video-Assisteed Thoracic Surgery:VATS)
 低侵襲(術後疼痛の軽減、胸壁機能の温存)美容上の利点の面から、当科では胸腔鏡による手術が主流となっています。従来の自然気胸等の良性疾患に加えて、最近では肺癌に対しても積極的に本術式を実施しています。手術内容により気胸では3か所の操作孔(ポート)で、肺がんでは4か所のポートでアプローチの場合と、小開胸を併用する場合とがあります。現在当科では直径3㎜、5㎜、10㎜およびfliexible typeの胸腔鏡をラインナップしており、それぞれ用途に応じて使い分けています。また、術式によっては、3Dモニターを使用して手術することもあります。

以下に扱っている具体的な病気を示します。

 ・肺疾患
  肺癌
  気胸
  良性肺疾患(肺動静脈瘻、肺アスペルギルス等)
 ・縦隔疾患
  胸腺腫
  神経原性腫瘍
 ・胸膜・胸壁疾患
  胸膜中皮腫
  良性石綿胸水
  胸壁腫瘍
  多汗症
乳腺・甲状腺外科
 ・乳腺
  乳癌
  乳腺良性腫瘍
 ・甲状腺
  甲状腺癌
  甲状腺良性腫瘍
  甲状腺悪性腫瘍
  甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
 ・副甲状腺
  副甲状腺がん
  原発性副甲状腺機能亢進症
  腎性副甲状腺機能亢進症

施設認定

  • 日本外科学会専門医制度修練施設
  • 日本消化器外科学会専門医修練施設
  • 呼吸器外科専門医認定機構関連施設
  • 日本乳癌学会関連施設
  • 癌治療認定医研修施設