診療科・センター

ヘルニアセンター

ヘルニアセンターについて

  • 多くの方々にヘルニアという疾患について、病態・治療の必要性などを広く認識・ご理解していただけるよう啓蒙活動を行っていきます。
  • 腹腔鏡手術など最近の手術・治療方法を導入し、低侵襲な治療を患者様に提供いたします。
  • 日帰り手術を含めた短期入院治療を実践し、患者様がより早く社会復帰をできるようにサポートしていきます。          
         
            前列左:武田医師、中央:吉田医師 

当センターの特徴

      
 
 1. 安全で確実な手術
  日本内視鏡外科学会 技術認定という制度があります。この資格は「後輩医師に 
 腹腔鏡手術の指導ができるくらいの技術力がある。」と認められた医師にのみ付与
 されます。   
  当院には技術認定医が4名在籍しています。そけいヘルニアの手術はほとんど
 腹腔鏡手術で行っていますが、技術認定医が参加いたしますので、確かな技術の
 もと治療を受けて頂けます。
  腹腔鏡手術は傷が小さいことから、疼痛が少なく日常生活や仕事といった社会復
 帰が早いことが特徴です。

 2. 豊富な実績
  当院ではそけいヘルニアに対して、年間100件近い手術を行っています。数多くの
 患者様を治療してきた経験により、身体への負担が少なく、効果が高い手術を安全
 に行うことが可能となっています。

 3. 総合病院ならではの安心感
  
手術中は麻酔科医師が付きっきりで安全管理を行います。心疾患、呼吸器疾患、
 脳血管疾患などの持病をお持ちの方、あるいは高齢の患者様につきましても、必要
 に応じて専門科と連携をとりつつ安全に治療を行います。

     

足の付け根の膨らみがある方はお気軽にご相談を!

 40-79才の約5%の方々はそけい部(足の付け根付近)に何らかの症状があり、そのうち実際に病院を受診した方の約半数がそけいヘルニアと診断されています。このようにそけいヘルニアは非常に一般的な病気で、日本では年間およそ14万件の手術が行われています。当院でもそけいヘルニアの治療を受けられる患者様が多いことから「ヘルニアセンター」を設立し、皆様のご要望にできるだけお答えできるようにしています。
 そけいヘルニアの手術は比較的短時間の手術であることから、一般的にはいわゆる「若手外科医」が診療に当たる機会が多い病気といえますが、適切な手術が行われないと患者様が不利益を被る事になりかねません。当院では技術認定医が手術に参加し、最良の手術を行うように心掛けています。
 そけいヘルニアは痛みを伴わないことが多いため、医療機関を受診せずに放置されることもありますが、嵌頓(腸が出っぱなしになって戻らなくなること)すると一大事です。不安な症状をお持ちの方は、まずはお気軽に受診していただきご相談いただければと思います。
                       腹部外科 部長 吉田 亮介
※ヘルニア(脱腸)についてもっと詳しく知りたい方はこちら

治療スケジュール

     
 
 外来を受診していただくと、診察、病状説明、(手術をご希望の際には)術前検査、手術日決定までをその日に行ってしまうことが可能です。
手術に際しては、基本的にはお身体へのご負担を考えて、1泊以上の入院治療をお勧めしています。実際の入院日数はその都度相談しながら柔軟に決定しています。日帰り手術にも対応は可能ですので、ご希望の方はご相談ください。
 
      

※ヘルニア(脱腸)についてもっと詳しく知りたい方はこちら  

ヘルニア(脱腸)とは

 ヘルニアとは体の組織が正しい位置からはみ出した状態をいいます。お腹のヘルニア(脱腸)は体内で内臓を保護する「筋膜」がゆるみ、その穴から腹膜や腸などが異動してしまう状態を指します。
「ヘルニア(脱腸)は子供の病気」というイメージをもたれがちですが、むしろ体の組織が衰えてくる中高年層に多い病気です。
 最初は痛みがなく、入浴中やくしゃみをした時など腹部に力がかかった際に、膨らむ部分を発見して気づくケースも多いようです。子供の先天的なヘルニア(脱腸)は成長にともなって自然に治癒する場合もありますが、大人のヘルニアの場合、筋膜は投薬、運動では強化できないため、手術でしか治療できません。

ヘルニア(脱腸)の種類

ヘルニア(脱腸)はできる場所によって呼び方が変わります。
ヘルニア(脱腸)のタイプには以下のものがあります。
 

そけいヘルニア

 「鼠径(そけい)」部とは、太もも、もしくは、足のつけねの部分のことをいいます。この部分の「筋膜」がゆるみ、その穴から腹膜や腸などが異動してしまう状態です。
脚の付け根に押すと戻る膨らみを見つけたり、引っ張られるような違和感を感じた場合にはそけいヘルニアが疑われます。

 

そけいヘルニアの位置

そけいヘルニアの位置

そけいヘルニアイメージ

そけいヘルニアイメージ

どんな人がなりやすいの?

 一般的に子供の病気と思われがちですが、そけいヘルニアは筋膜が弱った状況で発生するため、むしろ日常的に重いものを運んだり、立ち仕事などの同じ姿勢を続けてきた人、肥満気味な人、加齢によって体の組織が衰えた中高年層などに多く、年間の患者数が約30万人と言われています。

どんな人がなりやすいの?イメージ図

検査と診断

 問診・視触診に加え、CT及び超音波による画像検査を行い「どこから・何が・どれぐらい出ているのか、他のところにはないか」を判断し、適切な手術方法について情報の提供を行います。

そけいヘルニアの危険性

 そけいヘルニアは、自然に治癒することはありません.そのままにした場合、大きくなり続け、歩行・運動の障害や排尿障害の原因となることもあります。
 また、これまでであれば横になったり、軽く押したりすると元の位置に戻っていた腸が、飛び出した隙間にはまったまま、戻れなくなる場合があります。これは、嵌頓(かんとん)と呼ばれ、戻れなくなった腸はどんどんむくみ、締め付けられ、血のめぐりが悪くなることで傷んでいきます。腸の壊死を来たし、重症の場合は緊急手術・腸切除・命にかかわる場合もあります。

 診断された場合は、早期の手術治療をお勧めします。

手術方法

 当院では、「腹腔鏡下手術」と「前方アプローチ法」の両方を行っています。

  • 腹腔鏡下手術:お腹に数ミリ大の穴をあけ、カメラを用いてヘルニアの穴を修復します。主に軽量型のポリプロピレン製メッシュで内側から筋膜を覆い、腸などが出てくるのを防ぎます。全身麻酔での手術となりますが、傷が小さいため痛みも軽減でき、当院ではこの手術を中心に行っています。
  • 前方アプローチ法:下腹部に5cm程度の皮膚切開で行います。従来から行われている手術方法で、患者様の状態によっては局所麻酔での手術も行っています。
 


手術で用いるメッシュの一例

 

 日帰り手術での対応もおこなっています。

大腿(だいたい)ヘルニア

 そけいヘルニアと同じように、加齢などにより筋肉や筋膜が弱くなることや、重たい物を持つなど腹圧がかかりやすい状態が続いたときに起こりやすいと言われています。そけいヘルニアが中年以降の男性に多くみられるのに対して、大腿(だいたい)ヘルニアは中年以降の女性に多くみられます。特に、出産を多く経験した痩せ型の女性に多いと言われています。

大腿(だいたい)ヘルニア

検査と診断

 問診・視触診に加え、CT及び超音波による画像検査を行い、適切な手術方法について情報の提供を行います。

大腿(だいたい)ヘルニアの危険性

 大腿(だいたい)ヘルニアも自然に治癒することはありません。
 そけいヘルニアと同様に腸の嵌頓(かんとん)が起こる危険性があるため、診断された場合は、早期の手術治療をお勧めします。

手術方法

 そけいヘルニア同様に、当院では、腹腔鏡下手術と前方アプローチ法の両方が可能です。

臍(へそ)ヘルニア

 臍(へそ)ヘルニアは、へそ(臍部)から腸が脱出した状態です。子供の「でべそ」として広く知られておりますが、成人でも、肥満、妊娠、腹部の過剰な水分(腹水)のために臍ヘルニアが生じることがあります。臍(へそ)周囲のふくらみとして認めることが多く、時に痛みがあることもあります。
 そけいヘルニア・大腿(だいたい)ヘルニアと同様に腸の嵌頓(かんとん)を起こす危険性があります。

検査と診断

 問診・視触診に加え、CT及び超音波による画像検査を行い、適切な手術方法について情報の提供を行います。

手術方法

 そけいヘルニア同様に、当院では、腹腔鏡下手術と前方アプローチ法の両方が可能です。

腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニア

 腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニアとは、以前に受けた腹部手術の傷跡が弱くなり、そこから腹腔内の臓器が腹筋より外の皮下に脱出している状態です。

検査と診断

 問診・視触診に加え、CT及び超音波による画像検査を行い、適切な手術方法について情報の提供を行います。

手術方法

 患者様の状態に応じて、最適な手術方法をご提案いたします。