外来診療疾患・検査詳細

整形外科

変形性膝関節症

 従来,関節の表面は痛みを感じない軟らかいクッション(軟骨)に覆われています.正常な関節の運動で痛みがないのは,軟骨どうしが接触して運動しているからです.この軟骨が何らかの原因で摩耗してしまうと,軟骨の下にあった骨どうしがこすれるようになって痛みを生じるようになります.このような状態が膝関節に生じたものを,変形性膝関節症といいます.

 明らかな原因がなく加齢とともに発症する一次性関節症と,膝関節の外傷(半月板損傷,靭帯損傷,骨折)などに続発して生じる二次性関節症があます.症状は,膝関節の疼痛,変形,動きの制限などです.疼痛は,起床時,立ち上がりの動作時,歩行時など運動に伴って生じることが多いですが,進行すると安静時にも痛みを伴うことがあります.治療は,発病初期では,鎮痛剤,関節内注射,筋力訓練,生活指導などの保存療法で症状が軽快する場合があります.保存療法で効果がない程症状が進むと,手術療法が必要になります.最も多く行われている手術療法は人工膝関節ですが,関節全体を置き換えるTKA(total Knee Arthroplasty)と,内側だけを置き換えるUKA(Unicompartmental Knee Arthroplasty)の2種類あります .TKAは,従来約20cmの傷で手術が行われておりましたが,当院ではMIS-TKA(Minimally Invasive Surgery-TKA)を導入しており,約10~12cm程度の傷で手術を行っております.また,軟骨の障害が内側だけに限られている場合には,10cm未満の傷で筋肉を切りこむことなく,内側だけを人工関節に置換するUKAを行っております.UKAの導入により,以前と比べて術後の疼痛が少なくて回復も早く,入院期間も2週間程度と短くなりました.

変形性股関節症

 変形性膝関節症と同様に,股関節の軟骨が何らかの原因で摩耗してしまい,軟骨の下にある骨どうしがこすれるようになって痛みが生じるようになった状態を,変形性股関節症といいます.

 股関節の場合は,出生時の脱臼や亜脱臼が遺残して生じる二次性関節症がほとんどですが、外傷後(脱臼や骨折など)に生じる場合もあります.症状は,股関節の疼痛,脚長差(下肢の長さの違い),動きの制限などで,関節の変形は外観上膝関節ほど目立ちませんが,進行すると安静時痛が出現することがしばしばあり,睡眠障害にいたることもあります.治療は,症状が軽い時期では,鎮痛剤,筋力訓練,生活指導などの保存療法で軽快する場合があります.保存療法で効果がない場合には,手術療法が必要になります.膝関節同様、一般的な手術療法は人工股関節置換術(THA : Total Hip Arthroplasty)です.従来のTHAの手術の傷は20cm程度でしたが,当院では早くから10cm未満の傷のみで,安全にMIS-THAを導入してきました.可能な症例には筋肉を全く切りこまない究極のMIS-THAを行っており,従来と比べ術後の疼痛も著しく減少し回復も早く,入院期間も2週間前後と短くなりました.

大腿骨頚部/転子部骨折

 高齢者の方が転倒されるなどのお怪我により、ももの付け根あたりを骨折することが多く、日本では年間10万人以上の発生頻度と言われています。骨粗鬆症が元々存在することが多く、寝たきりの原因として非常に重要です。治療は寝たきりにならずに、一日でも早く元通りの生活に戻れるように積極的に手術を行います。当院では主に3種類の手術法を使い分け、患者様に適した手術を速やかに行い、充実したリハビリテーションを提供しております。

大腿骨頚部/転子部骨折 レントゲン写真

腰部脊柱管狭窄症

次のような症状はありませんか?

  • 歩き出して、しばらくすると、足がしびれたり、痛んだりして、歩けなくなる
  • 腰を伸ばして後ろにそらしたり、しばらく立っていると、足がしびれたり、痛んだりする
  • 前かがみの姿勢をとると、足のしびれや痛みが軽くなる

そういう症状のあるかたは、腰部脊柱管狭窄症の疑いがあります。

 腰部脊柱管狭窄症とは、神経の通り道である脊柱管と呼ばれる孔が狭くなった状態です。

 脊柱管が狭くなると、そのなかを走っている神経が圧迫されて、下肢の痛みやしびれ、麻痺(脱力)が発生します。時には、両下肢のしびれの他に、股間のほてり、排尿後にまだ尿が完全に出し切れない感じ(残尿感)、便秘などの膀胱・直腸症状が発生します。

 これらの症状は、歩行により増悪します。そのため腰部脊柱管狭窄症では、長距離を続けて歩くことができなくなり、歩行と休息を繰りかえす間欠跛行という状態になります。

 腰部脊柱管狭窄症は、50歳代以降から徐々に増えてきます。

 診断のためには、MRIをとります。MRIで、脊柱管の状態がわかります。

 治療としては、日常生活の注意が第一です。歩行障害が進行し日常生活に支障が出てくる場合には手術を行なうこともあります。

 歩くと下肢の痛みやしびれが強くなってくる、あるいは下肢の症状に排尿の異常を伴うような症状があれば腰部脊柱管狭窄が疑われますので専門医に診て貰った方がよいでしょう。

腰部脊柱管狭窄症 イラスト1 腰部脊柱管狭窄症 イラスト2