診療科・センター

消化器病センター

消化器病センター概要

方針・特色・専門

 当センターは、もっとも診療件数の多い疾患のひとつである消化器疾患において、消化器内科医と消化器外科医がより密に連携・一体化し、積極的統合を図ることにより、患者さんにより質の高い医療を、より迅速に提供することを目的として開設されました。センター化によって、消化器疾患の診断から治療までを一貫して行える体制を構築し、患者さんにとってより迅速かつ効率的で、より優しい医療の提供を目指しています。
 診療体制として、内科・外科統合の消化器科病棟を6階オレンジ病棟に設け、これにより内科系・外科系の医療チームで診療にあたることを可能にしています。外科的手術を要する患者さんにも手術前後、同じスタッフでサポートできるようにしました。また、内科・外科合同カンファレンスによる治療方針の検討を積極的に導入することにより、両科の利点を踏まえた、より柔軟性のある視点から診療できるようしています。

方針・特色・専門イメージ

 さらにここ数年の内視鏡検査件数の増加に伴って、新病院では内視鏡室を拡張し、今までより広くゆったりとした内視鏡室で検査を受けていただけるようになりました。経鼻内視鏡検査も開始しております。経鼻内視鏡は先端部外径が4.9mmと細径ですが、広く使われている外径9mm前後の経口内視鏡と同等レベルの高画質が得られます。患者さんにより負担の少ない検査をご提供できます。

 活動内容は早期癌(食道・胃・大腸)に対する粘膜切除術・粘膜下層剥離術、静脈瘤における内視鏡的硬化療法・結紮術、ポリープ切除、内視鏡的胃瘻・腸瘻造設術、小腸カプセル内視鏡、小腸バルーン内視鏡、内視鏡的胆管・膵菅造影など積極的に施行しております。

 また従来以上に、24時間体制で消化管出血や閉塞性黄疸、急性化膿性胆管炎などの緊急内視鏡処置や、急性腹膜炎などに対する緊急手術に対応することが可能となっています。

消化器疾患・検査・治療のご紹介

大腸ポリープ

 大腸ポリープは大腸の内腔に突出した隆起性のものを言います。大きく分けて腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープの2つのタイプに分けられます。大腸のポリープの80%以上は腺腫という良性の腫瘍性ポリープと考えられていますが、この腺腫も大きくなれば、癌化し大腸癌となる可能性があります。癌化する恐れのある良性ポリープや大腸癌を大腸内視鏡検査(大腸カメラ)で早期に発見できれば、内視鏡的に切除しほぼ100%治癒することができます。内視鏡的にポリープを切除した場合は、当日もしくは状況に応じて短期間の入院で帰宅することが可能です。

免疫便潜血検査2日法

 日本人の死亡原因で大腸癌は近年急増しており、男性は4位、女性ではなんと1位となっております。大腸癌早期発見を目指し、日本の大腸癌検診で行われている方法として免疫便潜血検査2日法があります。これは2日の便をとり、便に血液が混じっていないかを調べる検査です。通常1回でも陽性であれば大腸内視鏡検査(大腸カメラ)をすることをお勧めします。

 便潜血が陽性の人のほとんどは痔や裂肛などの肛門の病気が多いですが、約50人に1人で大腸癌が見つかるといわれています。決して少ない割合ではありません。また癌化する恐れのある良性のポリープでも大きくなれば便潜血陽性となる場合があります。便潜血が陽性であれば放置せず、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行いましょう。

ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

 1980年代より内視鏡的粘膜切除(Endoscopic Mucosal Resection:EMR)がはじまり、低侵襲で臓器機能温存に優れている点で注目されてきましたが、大きさに限界があり(約2cm)、大きな病変では分割で切除することとなり再発のリスクが高い事が欠点でした。近年、内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection:ESD)の登場により、より大きな早期癌を正確に一括切除できるようになりました。癌病変に対して局所のみの切除となるため開腹手術で心配される治療後の癒着による腸閉塞、吻合不全、吻合部狭窄、ダンピング症状などの合併症は無く、開腹手術であれば1ヶ月程度の入院が必要なところ1週間程度で退院できます。当院でも2005年より早期食道癌、胃癌、大腸癌にESDを積極的に導入しています。

ESDの適応

ESDの適応となる早期癌は、

  • リンパ節転移を認めないもの
  • 粘膜内癌であること
  • 組織学的に高分化型、中分化型、乳頭状の腺癌
 

 この条件を満たせば大きさは問いません。癌が粘膜下層に深く浸潤している場合や未分化型癌の場合は基本的には外科的切除の対象となります。
治療時間は病変の大きさ、占居部位によって異なりますが、静脈麻酔にて十分な鎮静をかけて行い、約1時間前後で終了します。食道の病変や病変が大きく手術に時間を要する場合は全身麻酔下で行うことがあります。

1. 色素散布し病変を観察

1. 色素散布し病変を観察

2.病変周囲にマーキング

2.病変周囲にマーキング

3.周囲に局注を行い全周切開

3.周囲に局注を行い全周切開

4.粘膜下層を剥離

4.粘膜下層を剥離

5.切除終了後の潰瘍

5.切除終了後の潰瘍

6.摘出した病変

6.摘出した病変

7.切除後2ヵ月後

7.切除後2ヵ月後

 
 

内視鏡室のご案内

概要

 近年の疾病構造の変化や高齢化社会に伴い、消化器系の腫瘍や炎症疾患は増加傾向にあります。消化器内視鏡は、診断を目的とした検査はもとより、低侵襲性、機能温存、QOLに配慮した治療の分野にまで拡大しています。幣院におきましても、内視鏡検査・治療件数は年々増加の一途を辿っております。

 食道癌・胃癌・大腸癌や胆道・膵臓癌の早期発見を目的として、色素を散布した内視鏡検査や拡大内視鏡検査を行い、超音波内視鏡、特殊光内視鏡狭帯域フィルター内視鏡(NBI)などを用いて癌の広がりや深さの診断を精密に行っています。また、近年進歩がめざましい先端内視鏡治療分野にも積極的に取り組んでいます。さらに通常の検査・治療のほか、消化管出血や閉塞性黄疸などの緊急の場合に対して24時間即応できる態勢をとっており、必要な処置をすぐに実行できます。

 感染対策上、最新内視鏡自動洗浄機を駆使した完全洗浄システムをとり入れ、患者様毎に洗浄・消毒を実施し安全性の向上を図っています。生検鉗子や治療処置具などの内視鏡処置具も使い捨てタイプを使用しています。

 内視鏡検査は、消化管の微細な変化を直接観察・認識することが可能で、異常があれば直ちに組織検査(生検)を行うことができることが利点です。弊院では、患者様に苦痛のないように細径ファイバーや鎮静剤を適宜使用していますので、ご希望の場合は、お気軽にお申し出下さい。

内視鏡検査とは

 外来で行われる内視鏡検査には、一般的に上部消化管内視鏡(胃カメラ)大腸内視鏡検査(大腸カメラ)があります。
 従来、内視鏡検査といえば大変つらい検査であるとのイメージがあるかもしれませんが、当消化器病センター内視鏡室では、より安全で苦痛の少ない内視鏡検査を実施できるように心がけております。消化器疾患は経過が長く、定期的なフォローアップが必要な良性疾患から、治癒率の向上にはなによりも早期発見・早期治療が重要な悪性疾患まであり、検診目的でも気軽に内視鏡検査が受けられるよう、これからもスタッフ一同最大限の努力をしていきたいと考えています。

岡山労災病院の内視鏡設備

経鼻内視鏡

 経鼻内視鏡検査は、外径が約5.5mmと鉛筆ほどの細さで、内視鏡が舌の付け根を通らず、のどにも触れないので、つらい嘔吐反射がほとんど起こりません。よって鎮静剤などの麻酔は必要ありません。検査中、医師との会話も可能で、余裕があれば検査画面を一緒に見ながら検査を行うこともできます。ただし、経鼻内視鏡は、通常の内視鏡より画質がやや劣り、また行える処置も限られます。鼻腔が狭い方や鼻血の出やすい方などは挿入が難しい場合もあります。

経鼻内視鏡イメージ
カプセル内視鏡

 錠剤のように飲み込めるカプセル内視鏡は直径11mm、長さ26mmのカプセル型をしています。超小型のカメラと無線送信機構が内蔵され、口から飲み込むと食物と同じように腸内部を移動してゆき、約8時間かけて合計約6万枚撮影します。画像はカプセル本体から無線で体外に送信されて順次受信装置に蓄えられ、撮影終了後に医師が受信装置の画像をみて診断します。撮影を終えたカプセルは便と共に排出され、使い捨てです。
見たい部位への誘導が不可能なことや組織の採取(生検)ができないことなどの欠点はありますが、患者様の負担を抑えながら腸内を観察できる画期的な検査です。

小腸内視鏡

 小腸は胃と大腸の間にあって口からも肛門からも遠く、自由に動くうえ、6~7mと長く曲がりくねっているため通常の内視鏡の挿入は困難です。小腸内視鏡検査では、先端に風船を付けた特殊なチューブに内視鏡を通して二重構造にしたものを使用し、内視鏡とチューブを尺取り虫のように交互に進ませることで、長い小腸を約2m程度に短くたたみ込んで挿入します。全小腸を一度に観察するのは困難なので、口からと肛門からと2日にわけて検査します。1度の検査には1~2時間かかりますので、通常ご入院の上で鎮静剤を使用します。
小腸内視鏡はカプセル内視鏡と異なり、胃カメラや大腸カメラと同様に小腸を詳しく検査できる上、組織の採取(生検)や止血、ポリープ切除などの治療が可能です。

狭帯域光観察(Narrow Band Imaging=NBI)システム

 全ての胃カメラ、大腸カメラ検査において、スイッチ操作ひとつで通常観察からの切り替えが可能で、従来のコントラスト法、染色法などのような色素を散布する必要がなく、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい狭帯域化された二つの波長(390~445nm / 530~550nm)の光を照射することにより粘膜表層の毛細血管、粘膜微細模様の強調表示が可能です。

拡大内視鏡

 約80~90倍の光学ズームと1.8倍のデジタルズームが使用できるので、より高画質で鮮明な画像が得ることができます。NBIと組み合わせて使えば、腫瘍血管や腫瘍表面の詳細な観察が可能となり、病変の質診断、深達度診断、範囲診断を行うのに有用です。

 内視鏡検査において癌その他の異常所見があった場合、組織の一部を採取(生検)し、顕微鏡検査(病理組織学的検査)によって良悪性の判断をします。しかし、明らかに癌と考えられる病変に対しては、むやみに生検を行わないことがあります。早期癌の場合には、生検をしたために内視鏡的切除が困難になることがあるためです。そのため弊院では、NBIや拡大内視鏡を駆使して病変の質、深達度、範囲診断を精査し、必要最低限な生検に留めるようにしています。岡山労災病院では、診断の先の治療まで見据えた検査を行っております

内視鏡機器の感染管理

<内視鏡機器は1回の検査毎に自動洗浄・消毒を行っています。>
 「人の病気がうつるのが怖い」という気持ちは、患者様の共通した思いです。私達の施設では、内視鏡で使用する機器は、日本消化器内視鏡学会発行のガイドラインに基づいて、十分な洗浄・消毒・保管を行い、病原菌(ウィルス・一般細菌)を内視鏡から完全に除去する事に努めています。さらに、洗浄・消毒の精度を維持するために、「履歴管理」に取り組んでいます。
 また、検査・治療に使用される器具も、可能な限りディスポーザブル製品を使用しています。再利用する製品に関しては、十分な洗浄の後高圧蒸気滅菌されたものを使用し、感染対策に配慮しています。
 内視鏡検査に従事するスタッフも1検査毎に手袋の交換をするなど、清潔と不潔が交差しないように作業する事に努め、清潔な環境で検査を受けていただけるよう心掛けております。

内視鏡機器の感染管理1
内視鏡機器の感染管理2

検査・治療内容

内視鏡検査を希望される患者様へ

楽に内視鏡検査を行うには

 通常の内視鏡検査において、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)では喉の麻酔を、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)では肛門周囲の麻酔をしたのちにファイバーを挿入します。検査が終了し次第、ご帰宅いただけることがメリットです。

 検査に不安を感じる方や以前に検査を行った際に苦痛が強かった方には、弊院では鎮静剤などの静脈麻酔を使用した検査や経鼻内視鏡を用いた検査などをお勧めしております。ただし、鎮静剤をご希望の場合には、ご家族の方の付き添いが必要で、ご帰宅は麻酔の醒めたのち(およそ1時間後)になります。ご家族の付き添いが困難な方は、検査後一泊入院していただければ、鎮静剤を使用することができます。また、当日の車の運転は控えることをお約束いただいております。

■鎮静剤を含めた内視鏡検査の種類

  • 通常検査(喉や肛門周囲の麻酔のみ)
  • 鎮静剤を使用した検査(ご家族の付き添い必要・帰宅可・当日車運転不可)
  • 鎮静剤を使用した検査(ご家族の付き添い不要・検査後入院・車運転不可)
  • [胃カメラのみ]経鼻内視鏡検査(鎮静剤を使用せず・鼻の麻酔のみ)


 当院外来をご通院中の方は担当医に、院外の医院などにご通院中の方は主治医の先生にご相談下さい。検査の予約ができます。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)について

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)について

 口または鼻から挿入した内視鏡によって、咽頭・食道・胃・十二指腸を観察する検査です。通常は5~6分間で終了しますが、色素の散布、NBI・拡大内視鏡使用の場合、また組織の一部を採取(生検)したり、ピロリ菌の検査をしたりした場合には、さらに時間がかかることがあります。
 生検を行った場合、結果をお知らせするために次回外来日を予約させていただきます。鎮静剤を使用した方や気分のすぐれない方はベッドやリクライニングチェアーを備えていますので、十分お休みいただいてから、お帰り下さい。
 なお、通常の検査の際に、胃や食道・十二指腸のポリープを切除することはできません。ご入院が必要です。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)について

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)について
肛門から挿入した内視鏡によって、小腸の一部から結腸、直腸にわたる、1.5m程度の大腸を観察する検査です。検査はおよそ20~30分で終わりますが、おなかの手術を受けたことがある方や腸の非常に長い方は時間のかかることもあります。誰でも大腸には便が詰まっているので、検査前には下剤を飲んで大腸を空っぽにする必要があります。弊院で主に行っている下剤内服(前処置)は、ニフレック法と呼ばれるものです。

 ポリープがみつかった場合、その場で内視鏡で切除することが可能です。ただし、小さいものであれば切除後ご帰宅いただけますが、大きいポリープの場合には当日ご入院していただかなければなりません。ポリープを切除したり、生検を行ったりした場合、結果をお知らせするために次回外来日を予約させていただきます。

内視鏡検査を受ける際の注意事項(胃カメラ・大腸カメラ共通)

  • 前日まで食事制限はほとんどの場合ありません。通常通りお食事をしていただいて構いません。
  • 前日の夕食は夜9時までにすませて下さい。検査当日の朝は絶食ですが、コップ1杯の水、お茶またはスポーツドリンクは飲んでいただいて結構です。
  • 日頃飲まれている薬の服用に関しては主治医の先生にご確認下さい。特に抗凝固剤(血液を固まりにくくする薬)を飲んでいる方は、前もって中止していないとポリープ切除などができない場合があります。
  • 検査にあたっては、内視鏡検査同意書が必要です。検査前に医師から説明がありお渡しします。当日は必ず持参下さい。同意書は1年間有効です。

ご不明な点・詳細は、内視鏡室受付 TEL 086-262-0214(直通電話)までお電話下さい。

 

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)の実際

❶ 受付された後、記入していただいた問診票を見て、順番に準備させていただきます。

① 絶食の確認。

「今朝、食事されてないですね?」
お化粧は控えて下さい。


② 水薬を飲んでいただきます。

胃の中の泡や粘液をおさえて、見やすくする薬です。入れ歯の人は外してもらう。

水薬を飲んでいただきます。イメージ

③ 血圧を測ります。

 

血圧を測ります。イメージ

④ 鎮静剤希望の方は、点滴をさせていただきます。


⑤ 局所麻酔をします。

麻酔薬でアレルギー症状をおこした方はお申し出下さい。

〈経口の方〉

のどに麻酔します スプーン1杯のにがい薬を含んで下さい。(3~5分)(飲み込まないで、のどにためて下さい。)
そのあと、飲み込むか、テイッシュに吐き出して下さい。
スプレーをします。口を大きくあけて「アー」と声を出していただいている間に5プッシュくすりをふりかけます。10秒くらいたったらのみこんで下さい。

経口の方イメージ

〈経鼻の方〉

鼻に麻酔します。
鼻のとおりを良くする薬(液体の薬)を、両方の鼻の穴に入れます。
麻酔の薬(スプレーの薬)を、両方の鼻の穴にします(口にくるとにがいのですが、飲み込むか、テイッシュに吐き出して下さい。)
人によっては、鼻から検査できなかったり、鼻出血したりすることがあります。

経鼻の方イメージ1

 

経鼻の方イメージ2

 


⑥ 胃の動きをおさえる注射をします。

心臓の病気がある方、前立腺肥大がある方、緑内障がある方はお申し出下さい。


以上で検査前の準備はおわりです。

❷ 次に検査室へご案内します。

① 左側臥位で(左側を下にして)横になります。

※メガネははずして下さい。
※ベルト等きつい方は緩めて下さい。
※可能な方はベッドの上で体を1回転します。水薬の効果をよくするためです。

左側臥位で(左側を下にして)横になります。イメージ

② マウスピースをかるくくわえます。

経鼻の方はくわえません。

マウスピースをかるくくわえます。イメージ

③ カメラを挿入します。

※息はゆっくりして下さい。
※全身の力を抜いて楽にして下さい。
※口にたまった唾液は、飲み込まないで口の横から流しだして下さい。
(経鼻の方は話をすることができます)


④ 食道、胃、十二指腸を観察し、必要があれば組織検査(生検)します。


⑤ カメラを抜いて、検査終了となります。

医師より説明があります。そのあと看護師より検査後の注意事項を説明します。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の実際

❶ 受付後、お手洗い(トイレ)の説明を行い、腸管洗浄液を飲む場所にご案内します。

① 飲み方の説明をします。

2リットルの腸管洗浄液(ムーベン®)を約1時間30分~2時間かけて飲みます。
排便を促すために動いていただきます。2リットル飲み終わる前に便の状態がよくなれば、全て飲まなくて結構です。
2リットル飲んでも便の状態が悪い場合は、追加の下剤をのんでいただく事や、水やお茶、スポーツドリンクなど飲んでいただく事があります。
飲んでいる途中で気分が悪い、吐き気がある、お腹が痛いなどの症状があれば看護師にお申し出下さい。
飲めない場合は無理に飲まなくて結構です。下剤の種類を変更します。

飲み方の説明をします1
飲み方の説明をします2
飲み方の説明をします3

② 検査可能な便の状態についての説明をします。

図を見て検査ができる便の状態を説明します。
図の1~2になれば検査ができます。看護師が最終確認をしますので、検査ができる状態になればお申し出下さい。

検査可能な便の状態イメージ1

図1

検査可能な便の状態イメージ2

図2

検査可能な便の状態イメージ3

図3

検査可能な便の状態イメージ4

図4


③ 検査着に着替えていただきます。

更衣室にて着替えの説明をし、買っていただいた検査用トランクスをはきます。

検査着に着替えていただきます1
検査着に着替えていただきます2

④ 鎮静剤希望の方は、点滴をさせていただきます。

鎮静剤を使用される方は、ご家族の付き添いが必要で、検査後は1時間休んで帰っていただきます。
鎮静剤を使用される場合は、帰宅時に車・バイク・自転車の運転はできません。

❷ 次に検査室へご案内します。

① 検査室に移動します。

左側臥位(左を下にして)で横になります。
血圧計や血中の酸素量を測る装置を取り付けます。


② カメラを挿入します。

息はゆっくりして下さい。全身の力を抜いて楽にして下さい。
カメラを挿入する際には、大腸内に空気を入れます。空気が洩れそうになった時には我慢していただかなくて結構です。
検査途中で仰臥位になります。可能なら、足を組んでいただきます。場合によってはベッド上で体位変換していただくことがあります。


③ 大腸を観察し、必要があれば組織検査(生検)やポリープの切除を行います。


④ 観察が終わればカメラを抜いて、検査終了となります。

鎮静剤使用の場合は、ご家族に検査結果の説明をさせていただきます。鎮静剤の回復は、ストレッチャーに移って観察室にて行います。時間が来たら、点滴を抜き、着替えをしていただきます。
帰宅後の生活について説明をきいていただいたのちにご帰宅下さい。


患者様の普段の排便状態によって飲んでいただく下剤が決まります。便秘がちの方は前々日から下剤を服用していただくことがあります。

外来内視鏡検査・治療費

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

3割負担の方の場合です

  初診 再診
観察のみ 約5,000円 約4,500円
観察+組織検査
(生検)
約10,000円 約9,000円

緑内障・心疾患・前立腺肥大症の方では、約500円が追加されます。
鎮静剤を使用した場合は、約800円が追加されます。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

  初診 再診
観察のみ 約6,500円 約6,000円
観察+組織検査
(生検)
約11,500~18,500円 約11,000~18,000円
ポリープ切除術 約21,500~27,000円 約21,000~26,500円

鎮静剤を使用した場合は、約800円が追加されます。

医療関係者の方へ

弊院では、院外の先生方から直接検査の予約をしていただけるシステムを導入しています。詳細はこちらをご参照ください。